結婚披露宴にて新郎新婦様がお座りになる席を高砂とよびます。
ゲスト席よりも一段高く、金屏風の前に座ります。
今回は高砂という言葉についてご紹介します。
高砂という言葉は
兵庫県高砂市にある高砂の浦にて、老松の精が
相生「相(あい)ともに生まれ、生きて老いるまで」の
老夫婦となって現れたという故事にならって
世阿弥が作った能楽曲が由来です。
この能楽曲では国と民の繁栄をテーマにしており、
この曲の一部を祝儀の場で仲人が歌うことがあります。
高砂は砂が盛り上がって小高くなった所を意味する言葉です。
また、人生でいかなる困難があっても人は必ず元の姿に戻っていく、
めでたいところに納まっていくという意味もあります。
他にも、高砂の松は、芽が出てから風雪に遭い、幹が曲がっても、
頭の部分は根元と同じ場にある姿を意味しています。
一年中緑の松は長寿の象徴、雌雄が別株であり夫婦を連想させることなどから
夫婦が一生添い遂げるようにという願いが込められています。
お二人が出会うまで、そして出会ってから結婚するまで
さまざまな困難があると思いますが
結婚式当日は皆様に祝福され、今までで一番幸せな日になります。
そんなお二人の席が高砂と呼ばれるのは
高砂がもつ、必ずめでたいところに納まるという意味を
あらわしているようでとても素敵ですね。