日本ではお祝い事の際に
紅白の饅頭、上用饅頭(じょうようまんじゅう)をよく用いています。
上用饅頭は結納の儀式の後の歓談の席で出されたり、
挨拶周りの折に配られたり、披露宴の引き菓子として用いられています。
紅白の饅頭には新婦様が嫁ぎ先の家風に染まることができるように、
また、丸い形には円満な家庭を築くことができるようにと
上用饅頭には2つの願いが込められています。
上用饅頭は、本来「薯蕷饅頭」という字を書きます。
薯蕷(じょうよ)とは山の芋のことで、自然薯(じねんじょ)と呼ばれる芋です。
この山の芋をきめ細かくすりおろし、
砂糖と上用粉を加えた生地であんを包み蒸しあげたものが薯蕷饅頭です。
薯蕷饅頭など和菓子は昔、一般庶民には手に入らない高価なものでした。
貴族など位の上の者しか食べることができなかった薯蕷饅頭は
上に用いる饅頭として上用饅頭という名がつけられるようになりました。
薯蕷饅頭は殿様に献上する和菓子として用いられた
歴史ある上品な和菓子の代表といわれています。
現在、上用饅頭はお祝い事には欠かせない和菓子となり、
入学式や運動会などでも配られるようになりました。
結婚式で用いられる引き菓子には、それぞれ願いや由来があります。
引き菓子をご検討なさる際に、調べてみてはいかがでしょうか。